Day5 五輪でのメダルに向けて発進、岡田・外薗ペアが全日本優勝
5日間にわたって開催された、第49回全日本470級ヨット選手権大会 兼 第34回全日本女子470級ヨット選手権大会が最終日を迎えました。
朝まで吹いた北風が午前中になくなった影響で、ゴールドフリート・シルバーフリートのラストレースは中止となり、上位10艇以外のチームは昨日までの総合ポイントにより最終順位が確定しました。昼前から南の軽風が入り、上位10艇のメダルレースが2レース行われました。
得点が倍となるメダルレースを2レース実施するのは世界的に見ても初めての試みです。これにより最大36点差がひっくり返る可能性があり、スリリングなレース展開が期待されます。
このチャンスを最大限につかんだのは市野直毅・松尾虎太郎ペアで、今大会初めて組んだにもかかわらず驚異的なコンビ力を見せ、本日の2レースともにトップを飾りました。これにより昨日までのレースで2位につけていた土居一斗・木村直矢組を逆転し、準優勝の座を獲得しました。
息の合ったコンビネーションを見せた市野・松尾ペア
そして、全日本選手権優勝を果たしたのは、途中、順位を崩す場面もあったものの、最終的には追い上げて3着、2着と実力を発揮した岡田奎樹・外薗潤平ペアです。
「風の強弱にも対応できて、これまで練習してきた成果を確認し、成長を自覚することができた。」(岡田・外薗ペア)
大会を通して安定した走りを見せていた土居・木村ペアは、メダルレースで5着、6着と崩してしまい、総合成績を3位としました。
総合4位の高山大智・盛田冬華ペアは、土居・木村ペアに2ポイント差で惜しくも表彰台の座を逃しましたが、470級が男女混合種目となる2024年パリ五輪に向けての活躍が期待されます。
吉田愛・吉岡美帆ペアは総合5位で、全日本女子タイトルを手にしました。女子2位には鴻上ひかる・坂井友里愛ペア、女子3位には伊藤七瑠・和田萌ペアと、2組の大学生コンビが続きました。
「緊張感のある中でレースができて、レース感覚を取り戻しつつある。モチベーションを保ち、五輪にピークを持っていけるようにしたい」(吉田・吉岡ペア)
本大会では、東京2020五輪が1年延期になったことをポジティブに捉えて、チームとしての成長を目指すトップ選手の姿が印象的でした。来年の3月に開催が予定されている世界選手権、そして五輪での選手の活躍が楽しみです。
また、運営面でも選手と大会本部のコミュニケーションや式典をリモートで行うなど、コロナ禍でも大会が実行可能であることを世界に示しました。
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